新型コロナによる緊急事態宣言の法的根拠?

こんにちは。Yossyです。 

新型コロナ(Covid-19)の感染者が増加しています。

2021年1月7日の東京都の感染者は2,447人だそうです。あっという間に2,000人を超えてしまいました。

同日、首都圏1都3県を対象として、2回目の緊急事態宣言が出されました。期間は2021年1月8日~2月7日までだそうです。

(1回目は、2020年4月~5月の緊急事態宣言。4月7日に7都府県、4月16日に全国に出されました。(参考:【NHK】緊急事態宣言 1回目の状況))

ところで、緊急事態宣言って何?なんで宣言すると飲食店の営業時間短縮するの?という気がしませんか。どうつながっているの?

国が何かするときは、法的根拠が必要なはずです。それはなぜか。

人は身体や思想の自由が保障された存在であるためには、国家などから根拠のない理由で自由を脅かされないようにする必要があります。他方で、公共性などから、各人の自由を一定程度制限する必要がある場合も生じます。そこで、根拠となる法律を定めておく必要があります。そして、その法律は、国民が民主的に選んだ代表(国会議員)が立法することで、国民が自ら選択した結果として、自由を担保することになります。

こんな理解でよかったかな。中学生や高校生の頃にも、習ったのかも知れませんが、正直憶えていません。社会に出て、改めて法学を学んだ時に、それがいかに大事なことかと感動しました。

大分、話が脱線しました。

詳しい解説や説明は他のブログやホームページなどにも多くあると思いますが、ちょっと調べたことを備忘録的に書いておこうと思います。

緊急事態宣言は何を法的根拠としているか。「新型インフルエンザ等特別対策措置法」なんだそうです。この法律は、平成24年に施行されているため、今回の新型コロナ(Covid-19)が入っていないそうです。このため、令和2年3月に法改正して、今回の新型コロナ(Covid-19)を含めることにしたそうです。

にリンクを貼っておきます。

今回の緊急事態宣言では、東京都のHPを見ると、

①都民へは、生活や健康維持に必要な場合を除いて、不要不急の外出自粛(特に夜8時以降)を要請(特措法45条1項)

②事業者へは、営業時間の短縮(夜8時以降)、イベント入場制限を要請(特措法24条9項)

だそうです。


1.「新型インフルエンザ等特別対策措置法」に新型コロナにも適用されるのか。

「新型インフルエンザ等特別対策措置法」の「新型インフルエンザ等」とは、特措法2条1号に定義されていて、具体的には感染症法6条7項、同条9項の規定にあるものなんだそうです。この中には新型コロナがないので、令和2年3月に特措法を改正したということになります。確かに特措法の附則抄1条の2に「新型コロナウイルス感染症に関する特例」として規定されています。ということで、適用されることになります。


2.「緊急事態宣言」とは。

特措法32条1項に「新型インフルエンザ等緊急事態宣言等」として定められています。この緊急事態宣言等が出されると、「新型インフルエンザ等緊急事態措置(特措法2条3号)」ができるようになります。この措置とは、「国民の生命及び健康を保護し、並びに国民生活及び国民経済に及ぼす影響が最小となるようにするために」特措法により国、県等が実施する措置とされています。


3.どんな「緊急事態措置」ができるのか。

よく出てくる条文はこんな感じでしょうか。その解釈については意見が分かれるようです。

特措法24条9項⇒緊急事態宣言をしなくても適用できる?、休業要請

「都道府県対策本部長は、当該都道府県の区域に係る新型インフルエンザ等対策を的確かつ迅速に実施するため必要があると認めるときは、公私の団体又は個人に対し、その区域に係る新型インフルエンザ等対策の実施に関し必要な協力の要請をすることができる。」

特措法45条1項⇒緊急事態宣言後に適用される?、不要不急の外出自粛

「特定都道府県知事は、新型インフルエンザ等緊急事態において、新型インフルエンザ等のまん延を防止し、国民の生命及び健康を保護し、並びに国民生活及び国民経済の混乱を回避するため必要があると認めるときは、当該特定都道府県の住民に対し、新型インフルエンザ等の潜伏期間及び治癒までの期間並びに発生の状況を考慮して当該特定都道府県知事が定める期間及び区域において、生活の維持に必要な場合を除きみだりに当該者の居宅又はこれに相当する場所から外出しないことその他の新型インフルエンザ等の感染の防止に必要な協力を要請することができる。」

特措法45条2項⇒緊急事態宣言後に適用される?、要請⇒権限を有しない?

「特定都道府県知事は、新型インフルエンザ等緊急事態において、新型インフルエンザ等のまん延を防止し、国民の生命及び健康を保護し、並びに国民生活及び国民経済の混乱を回避するため必要があると認めるときは、新型インフルエンザ等の潜伏期間及び治癒までの期間を考慮して当該特定都道府県知事が定める期間において、学校、社会福祉施設(通所又は短期間の入所により利用されるものに限る。)、興行場(興行場法(昭和二十三年法律第百三十七号)第一条第一項に規定する興行場をいう。)その他の政令で定める多数の者が利用する施設を管理する者又は当該施設を使用して催物を開催する者(次項において「施設管理者等」という。)に対し、当該施設の使用の制限若しくは停止又は催物の開催の制限若しくは停止その他政令で定める措置を講ずるよう要請することができる。」

特措法45条3項⇒緊急事態宣言後に適用される?、指示⇒要請より強いけど権限を有しない?

「施設管理者等が正当な理由がないのに前項の規定による要請に応じないときは、特定都道府県知事は、新型インフルエンザ等のまん延を防止し、国民の生命及び健康を保護し、並びに国民生活及び国民経済の混乱を回避するため特に必要があると認めるときに限り、当該施設管理者等に対し、当該要請に係る措置を講ずべきことを指示することができる。」

特措法45条4項⇒緊急事態宣言後に適用される?、店名公表の根拠?

「特定都道府県知事は、第二項の規定による要請又は前項の規定による指示をしたときは、遅滞なく、その旨を公表しなければならない。」


4.罰則はあるのか(強制力はあるのか)。

ニュースなどでは、罰則がないので強制力がないといった内容の報道があったりします。

措置法では、76条~78条に罰則規定がありますが、物資の売渡しの要請等、立入検査に関する違反に対する罰則規定となっているようです。このため、これ以外で「緊急事態措置等」の要請や指示に従ってくれない場合、強制力がないということになってしまうということのようです。


 特に、特措法45条4項が店名公表の根拠となるかどうか、強制力を確保するために罰則規定は改正するかどうか。自由と制限のバランスをどうとるか。難しいです。勉強になりました。












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